西日本新聞 2000年9月26日(火)  五輪
兵庫jrHome

アテネに輝け

福岡に”風”を求めて
楽しいんです、風に乗っている感触が。もっと速く走らせたい
下花磨保子  田畑和歌子

 福岡の海から世界へ羽ばたいてみせるー下花磨保子(福岡・福岡第一高2年)と田畑和歌子(同)は、強い
意思を持って福岡に”ヨット留学”を決めた。 広島県生まれの下花と横浜市生まれの田畑だが「指導者を、
毎日練習ができる環境を求めて」、高校入学と同時に福岡にやってきたのだ。
 平成に入ってから国体の天皇杯Vが3回、皇后杯Vが2回の実績を誇る福岡県のヨット競技。 女子ヨーロッ
パ級でシドニー五輪に出場した佐藤麻衣子(福岡大)も福岡で育って世界をつかんだ。 小学生でヨットを始め、
中学時代に海外のレースを経験した2人に迷いはなかった。 「もっと強くなりたい、風を感じてスピードを求めた
い」。ヨットのナショナルチームの強化コーチを約10年間務め、全国のヨット強豪高となった中村学園三陽高や
博多女子高でのコーチも務めた三船和馬コーチ(48)から2人は今、指導を受ける。
 昨年の全国高校総体の女子FJ級ソロ、高校1年の下花・田畑組みは3位入賞を果たした。1、2位は3年生の
ペアで、1年生ながら高校トップの実力を見せつけた。 だが、今年の総体では9位。 「勝ちたいと意識しすぎて、
自分の気持ちがコントロールできなかった」と三船コーチ。 「どんな状況でも冷静に判断できる精神面の強さを」。
2人は課題をこう口にする。
 季節に関係なく、日没までヨットに乗る毎日。 ミーティングを繰り返し、技術をビデオでチェックして、どん欲に
レベルアップを求める。 「楽しいんです。ヨットを走らせている実感や風に乗っている感触が・・・。 もっと速く
走らせたい」。 夏の日差しを受けて真っ黒に日焼けした2人は、顔をほころばせた。  (武富 悟)

        ヨット
        しもはな・まほこ  1982年5月13日生まれ。小4でヨットを始める。166cm、?kg。
        たばた・わかこ   1983年10月12日生まれ。小3でヨットを始める。165cm、?kg。

 

inserted by FC2 system