子供たちを戦争の犠牲者にしないために

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私は、子供がとても好きです。
長男が生まれたことを、義母から電話連絡を受けたとき、仕事中でしたが小躍りしました。がんばらなきゃと引き締まる心に反して、ほころんでしまう顔がどうしようもありませんでした。最初に見たわが子は、家内にはかわいいらしいが、どうしてもお猿さんにしか見えませんでした。
2人から3人の生活になり、首の座りを気にしながら長男を抱っこするようになり、座敷で小さな桶で身体を洗ってやるようになり、どんどん長男に引き込まれていきました。やがて、仕事を終えると一目散に自宅に帰り、長男と2人でお風呂に入り、家内が持つバスタオルに長男を渡し・・・少し大きくなると、毎晩本を読んで寝るのが日課になりました。その時には、もう一人次男も増えていました。
最初、何処に行くにも見守っていなければならなかった子供たちも、小学生になり自分で何処でも行けるようになり、自分で好きなものをやり始め、段々親から離れていきます。ほとんど子供を叱らない子育てをしてきましたが、素直にそして対等な親子関係になっていきました。

子供達が大学生になる頃、ふと昔子供時代に親父の田舎で見た光景が甦ってきました。親父の実家には先祖代々の当主の写真が飾られています。おじいさん方に混じって、青年の写真もあります。昔庄屋をやってた大きな家で、本家とか親戚の方々に呼ばれていました。小学校時代、お盆には大抵田舎に帰ります。田舎は群馬県なので、他家から来る従兄弟達より長く本家にいます。
大勢集まった訪問客が去った時、ばあちゃんが、仏壇に向かってチーン。毎日のことですが、そこにいた私を呼んで、青年の写真を指差しながら、「おまえの父さんの兄さんや」って・・・
具体的な亡くなった状況は語りませんが、それが戦死であったことは容易に推察できました。「おまえの父さんがな・・・よれよれの服のまま、庭に顔を見せた時はな・・・幽霊を見るようやった・・・まさか帰ってこれるとはな・・・」・・・ばあちゃんの心が伝わってきます。一度も戦争への不満を聞くことなく、星になってしまいました。戦争への不満や泣き言を口にしないことが、当時の国の舵を切った指導者への強い思いを感じさせられます。
それが甦ってきました。

そういう年齢にわが子がなったんだ。そしていつか生まれる孫もいつかそういう年齢になる。大学卒業以来、ずっと関わってきた子供のヨットで会う子達もみんなかわいくて無邪気。この子達を理不尽な戦争で写真の人にしたくないし、そのお母さんを・・・、その妹を・・・、その娘を・・・うちのばあちゃんのような深い悲しみの場所に行かせたくない。


蒼空の果てに・・・
元神風特別攻撃隊の方のサイト。九死に一生を得て、戦後自衛隊で定年を迎えた後、当時の自分が体験した真実を執筆しておられます。著書もそうですが、ノンフィクションの強さが響いてきます。リンク集に、様々な思いの方のHPが紹介されています。

フィリピンにて・・・
高校生の時に、おじいさんと共に参加したフィリピン合同慰霊祭で感じた戦争

回天・・・
海にも特別攻撃隊があった

憲法9条
12月8日は、太平洋戦争開戦の日です。
小泉さんの顔が怖くなって来ている。8月の衆議院選挙では、前日まで一緒の党で切磋琢磨してきた友人でもあっただろう、郵政法案反対議員を追い詰めすぎていると思いました。
私自身は、郵便局のお金が時には政治の道具として、道路などに流れている現状はよくないなと思っており、民間になった方がいいな、そしてその流れは止まらないなと思っています。
ですが、その審議過程や反対者へのあまりな苛烈な対応に、危なさを感じました。

まだ、郵政はいいのです。危惧しているのは、平和関係の法律や憲法です。憲法9条がありながら、拡大解釈されてきています。
紛争地域に平和協力するのに反対ではありません。ですが、国際機関決定に従うのではなく、特定の国の行動に協力するというのは、どうかと思っています。
国際連盟憲章で、自国防衛と国連安保理決定による制裁措置以外の武力使用は禁止されています。明らかな国連憲章違反に日本は追随しています。

もし憲法9条がなくなり、一部国会議員の方が言われているように、普通の国になったら・・・国の最高権力者に武力のフリーハンドを持たせてはいけないと思っています。
憲法改正にも反対ではありません。しかし、9条だけは・・・9条に書かれている『戦争放棄・武力での紛争解決の放棄』の文言を削るのには反対です。

アメリカから押し付けられた憲法だから・・・という改正論を言われている政治家もおられますが、9条の精神はアメリカ人が考えたものではありません。
第1次世界大戦後、国際連合は、2度と戦争が起こらないように、戦争を違法化し、『戦争放棄』を国際法に定めました。
日本もそれを批准しましたが、満州事変など、自国民へのテロに対抗するものとして武力行使し、第2次世界大戦に突入していきました。
その反省で、第2次世界大戦後の国際連盟憲章で、『武力による威嚇または武力の行使の禁止』を定め、自衛権と国連安保理が決定した武力行使以外は禁止されました。

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第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
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9条は、国際連合が定めた国際法が元になっています。
さらに国際連盟規約を、さらに1歩強化しています。
『国権の発動たる戦争と、武力威嚇・行使を永久に放棄する』
という部分は変えてほしくありません。

国際連合、国際連盟、そして憲法9条との関係は、小学生か中学生のときの先生から明確に教えてもらいました。
多分、教科書ではこのような流れにはなっていないのでしょうが、この3つを抜き出し並べて、教えてもらいました。
日本が国際法に抵触しないように、相手からのテロを口実に戦争を始めたこと、これは演出だったかもしれないこと(自作自演が定説になっていますが)、を教わりました。

近所に自衛隊駐屯地があり、隊員の子供が多くいるという事情もあるのでしょうが、私はそう習い、その結果多くの犠牲者が出て、最後に原爆で数秒で何万人という普通の人が亡くなることになってしまったことを教えてもらいました。そして広島に修学旅行に行きました。

今年の夏、元従業員さんが来られました。
その方の旦那さんは自衛隊員です。
このように、小さな子供さんを抱え心配していたお母さんがたくさんいます。
近所の自衛隊が中心になったイラク派遣は終わりました。
この隊の派遣当初、サマワ基地付近で自衛隊車両横で爆発がありました。
心配しましたが、無事帰ってきました。
でも今、広島付近の隊が中心になったイラク派遣が続いています。

私は、戦争をしない日本に生まれ、それが続き、国家権力による理不尽な生死を経験しない、幸せな生活を続けてきています。
これを次の世代でも続くように願っています。
少しづつ変わる空気を感じて、小さなうちにそれに警笛を鳴らしたいと思っています。
もちろん選挙という権利は行使します。

何故参議院否決後、もう一度衆議院に送って採決し賛成多数可決をせず、衆議院解散をしたのか?
参議院否決でも、衆議院再審議採決で可決できるとちゃんと法律に定めてあります。
ハードルは高くなりますが、一度衆議院で可決されているので、否決される可能性は低いと思いました。
それが、政治のシステムをきちんと踏んだやり方。その結果を踏まえて選挙をした方が、より争点が明確になる。その過程を見聞きしながら投票するのが、国の方針をより開くことに思えるのですが、何故急ぐのか分からなかった。何かが隠れているのか・・・自分の反対勢力を一掃するチャンスだから・・・後に控えているより大きな将来を左右する憲法や法律を変えるために・・・

参議院で否決されたら衆議院解散すると、参議院審議中に発言するのは、私には脅しに他ならないと聞こえました。
参議院否決で衆議院を解散し、衆議院で反対票を投じた議員を、郵政民営化法案が成立しなかった犯人として浮き彫りにしました。
なんとしても成立させたかったら、衆議院の戻せばいいのです。
そうしなかったのは小泉さんです。

小学校の社会でちゃんとこの制度を習いました。
そのとき、「参議院なんて意味あるの?」と子供ながらに思い、先生に質問したと記憶しています。
「参議院議員は名誉職的な色合いが濃い。衆議院議員だけが代議士と呼ばれる。衆議院には解散があるが、参議院にはない」
とその大きな差を教えてくれました。

反対議員を徹底的に追い落とそうとするのは、我々の代表者が自由な発言をする口を重くします。
単なる郵政の問題ではなく、社会のいろいろな所に、このやり方は影響を及ぼします。

自分の意に従わない仲間を消し去ろうとするのか?

私には強権首相に映るのですが、次の同様首相やその次の同様首相が前例にして、平和関係の法律・憲法の変更や、自衛隊行動に繋がらないか・・・
あのやり方は、一見かっこいいが、危険に感じます。

自分の子や孫が、自分の意に添わない国家権力の犠牲になって欲しくない。
いつか彼等の心の中で明確になる、夢の実現に向けて自分の人生を使って、いろんな人の役に立って欲しい。


大和ミュージアム 広島県呉市

知覧特攻平和会館 鹿児島県知覧町

ペシャワール会
福岡県出身の中村哲医師を中心にした、アフガニスタン復興NGO。書籍などを読むと、戦争の現実、報道の偏りなど、見えていなかった姿が見えてきます。

国境なき医師団
ここは、マスコミにも数々取り上げられるあまりに有名な国際NGO組織。昔スイスで産声を上げた赤十字(赤新月社)のような広がりを見せています。いろいろ制限の多い各国政府の天災や紛争への人道支援より、迅速に行動するNGO組織は、これからの時代を示唆しているような気がします。

イラクホープネットワーク・ダイアリー
イラク日本人人質事件で有名になった高遠奈緒子さんのしているイラクホープネットワークのブログです。元々は、イラクのストリートチルドレンを救うために、共同で住む家を提供し、職業訓練をしていたが、イラク戦争以降、それに加えて破壊された学校の再建を現地スタッフとともにしています。報道されないアメリカ軍の非道が、現地の人からのメール翻訳などで流されることもあります。
アメリカ本国内で、イラク戦争米軍兵犠牲者や劣化ウラン弾により新生児異常から広がりを見せている反戦行動との連携もあります。
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